役員インタビュー 東京ガスでは2016年4月、新卒で入社した女性社員の中から初めて執行役員が誕生しました。これまでの仕事の経験でとくに記憶に残ること、責任の重い立場になった今の想い、そして働く女性たちへのメッセージを鴫谷執行役員に聞きました。働き方は人それぞれ。自分に限界を設けずガラスの壁を壊して挑戦して未来を拓いてほしい。執行役員 IT本部 CIS推進部長 鴫谷あゆみ

archive リアル年表

IT以外の仕事を希望していたはずが—。

私が出たのは工学部経営工学科の大学院で、IT系企業へ就職する仲間が多い学部でした。しかし私自身は、社会インフラ系の仕事に興味があって関連業界を回り、その中から温かそうな社風に魅力を感じて東京ガスを選びました。ところが入社後の研修を終えて配属されたのは情報システム部。想いと裏腹の結果になったことに、最初は複雑な気持ちになりました。でも、その後仕事を続ける中で、情報システムの構築を通して東京ガスグループ全体の理解を深めることになったのですから、結果的に幸せなスタートだったと感じます。
情報システム部に配属された後しばらく担当していたのは、統計的な解析モデルを使って都市ガスの販売量予測や使用パターンの分析などを行う定例業務でした。主に社内の企画部門が必要とするデータを抽出する仕事です。学生時代に得た数学的な知識は活きるものの、新たに学ぶことの方が多く忙しい日々を過ごして5年、その後の自分につながる大きなターニングポイントが訪れました。それが1993年頃に始まった「EUC(End User Computing)プロジェクト」への参加です。

便利なITと業務の現場をつなぐ「通訳」。

日々の業務でシステムを利用することを通じて、情報システム部には様々なデータが集まります。これを各業務部門の人たちが自分で引き出し、それぞれの仕事に活かせる環境を構築するのがEUCプロジェクト(PJ)の目的。PJチームはまず社内にどんな業務システムがあるのかを整理し、次に蓄積したデータで何が可能になるかを考え、各業務部門に直接ぶつけて意見を聞きました。それまでの私は、担当した仕事の範囲の中でしか東京ガスのことを知りませんでした。それがこのPJを通して、社内の事業・業務とそのつながりを知り一気に視野が広がったのです。

また、このとき感じたのが自分は「通訳」だということ。特殊な知識が必要なITの世界と、現場で業務に携わっている人たちとの通訳、橋渡しを担う。それが私にできる役割ではないかと気づき、その想いは役員になった今も続いています。

執行役員に就任。IT本部の業務改革検討プロジェクト部長となる。 

ECU以降はずっとプロジェクト案件に携わり、1998年にPJリーダー、2003年には複数のPJを取りまとめるグループのマネージャーと、次第に担当範囲が広がり、責任も重くなりました。そして、2008年にライフバル(*1)の設立に伴い、ライフバル支援システムを構築するPJグループのマネージャーとなったとき、それまでプロジェクトとはスコープが確定されマネージャーに推進を一任されていると思っていたものが、部長にも強力にサポートされていたことに気づき、経営層により近い部長だからこそ可能な判断や行動があるのを理解しました。
役員になった2016年には、社内の業務改革検討PJの指揮を執り、ICTを活用したワークスタイル改革の検討・推進を行いました。17年からはCIS(ガスの契約・料金計算・請求回収を担うシステム)の再構築プロジェクトの統括を担当。これは14〜15年のお客さまサービス部長時代に業務設計に関わっていたプロジェクトの最終局面であり、改めてPJ責任者を担当することになりました。18年度からの順次、確実な稼働に向け、推進上の課題をプロジェクト内外と調整・解決していくことが役目です。
私は男女雇用機会均等法施行後のいわゆる「女性総合職」(*2)ですが、これまで仕事上で女性であることを特に意識したことはありません。東京ガスは女性の働き方の選択肢が広がっており、家庭や子育てに重きを置いても良いし、仕事で自分の可能性を広げても良いといった多くの選択肢から、自分が「どうなりたいか」をより深く考えられる環境が整っています。

プライベートの過ごし方

今から20年以上も前の話になりますが、着物が好きで着付け教室に通い始めたのがきっかけで、次々に趣味が広がってきました。教室を卒業すると着物を着る機会がなくなるので、何か良いお稽古事はないかと探していたところ、知り合いに紹介されたのが三味線。また着付けはできても所作がダメだと言われて日本舞踊も始めました。
一方5年ほど前から、五十肩をきっかけにウォーキングを始め、ついでに以前から舞台公演を見るのが好きだった和太鼓を自分もやってみようと始めたら体の硬さを痛感してヨガ教室へ。いつの間にか、色々なお稽古事や教室で土日も忙しさに追われています。