INTERVIEW

転職者インタビュー

商用規模の浮体式洋上風力発電の
運転を実現し、
脱炭素社会に向けた
エネルギー会社の責務を果たしたい。

RYO ISAWA

2019年度入社

グリーントランスフォーメーションカンパニー
再生可能エネルギー事業部
再エネ第二グループ

※所属部署はインタビュー取材当時のものになります。

CAREER PATH

前職

洋上風力発電分野に従事

プラントエンジニアリング会社において、プラント配管設計、太陽光パネル工場建設、メガソーラー建設などの経験を経て、欧州洋上風力発電事業への投資・開発、新規事業開発に従事。太陽光発電で再エネに関わったことをきっかけに、欧州での浮体式洋上風力発電事業の開発、国内での洋上風力発電分野の企画・提案・立ち上げまでと、再エネに関するさまざまな経験を重ねた。

現職

浮体式洋上風力発電事業に挑戦

再生可能エネルギー事業部で洋上風力発電事業開発を担当。前職で培ったエンジニアリングやプロジェクトマネジメントの知見をベースに、チームリーダーとして、国内浮体式洋上風力発電事業や海外洋上風力発電事業への投資検討などを進めている。まだ日本では実現していない商用規模の浮体式洋上風力発電の運転を目指して奮闘中。

転職後のキャリア

1年目/2019年度

電力事業部 再エネ事業グループ

前職の経験を買われ、即戦力として国内洋上風力発電事業開発に従事。

2年目/2020年度

再生可能エネルギー事業部 再エネ第二グループ

国内洋上風力発電事業開発に加え、浮体式洋上風力発電の基礎技術会社への出資や、海外洋上風力発電案件の参画検討、NEDO・グリーンイノベーション基金事業なども担当。

INTERVIEW

Q1

東京ガスへの転職を決意された理由を教えてください。

前職はエンジニアリング会社であったため、基本的には請負の立場で再エネを含むさまざまな案件に関わっていました。そうしたなか事業投資に関わる機会があり、商務や契約、ファイナンスといった新たな経験を積むことができました。それが性に合っていたのでしょう。開発を請け負うだけでなく、事業者側でプロジェクト全体に関わりたいという気持ちが強くなったことがきっかけです。
また、当時はUtility3.0という言葉が流行っており、脱炭素や市場の自由化、デジタル化等、劇的にエネルギーの在り方が次世代へシフトしていく潮流を感じていました。 その流れの中心に身を置きたいという思いもあって、総合エネルギー会社である東京ガスに入社したいと考え、志望しました。

Q2

これまでのキャリアは、現在担当されている仕事に活かされていますか?

入社以来、一貫して再生可能エネルギー事業部で洋上風力発電の事業開発を担当しており、前職で浮体式洋上風力発電事業に関わった経験や知識、ネットワークはもちろん、事業投資で通じて得た商務や契約、ファイナンスの経験も現在の仕事に直接的に活かせています。ただ、開発だけを請け負うエンジニアリング会社とは異なり、事業会社である東京ガスでは、見るべき範囲が広く、事業全体を俯瞰しなくてはなりません。再生可能エネルギーを事業として成立させ、社会に還元する。これこそがまさに自分がやりたかったことであり、やりがいをもって仕事に取り組めています。
また、東京ガスは長年日本のエネルギーインフラを支えてきた実績があり、それがあってこそ、推進できることも多いと思います。再生可能エネルギーの拡大を通して脱炭素化を推し進め、これまで以上に社会へ貢献していかなくてはいけないという意識も高まりました。

Q3

ご自身の業務において、挑戦したこと、していることを教えてください。

東京ガスは、2020年に洋上風力発電向けの浮体基礎システムである「ウインドフロート技術」を保有するプリンシプル・パワー(PPI)に出資し、主要株主の一社となりました。そのPPIへの出資を発案、提言したのが私です。遠浅の海域が少ない国内では、水深の深い場所でも設置可能な浮体式洋上風力発電が、再生可能エネルギー開発の主力になると目されています。PPIが保有するウインドフロート技術は、洋上での安定性に優れ、欧州では既に浮体式洋上風力発電プロジェクトへの採用実績もあります。この技術を活用できれば洋上風力発電事業が大きく前進すると確信しての提案でした。
この出資が正式に認められたことで、浮体式洋上風力発電のリーディングカンパニーを目指すという目標が、大きく現実に近づいたと思っています。国内の浮体式洋上風力発電は、当社にとっても社会にとっても黎明期の未知の領域であり、全てが挑戦です。とにかくこれを実現し成功させるために、信念と執念をもって挑戦し続けていきたいと思っています。

Q4

転職後、キャリアはどう広がりましたか?

担当する浮体式洋上風力発電においては、検討会などの対外的な活動に東京ガスを代表して出席する機会も多く、業界の方々から色々学び、自身のキャリアも深まったと感じています。また、英国オクトパスエナジー社と接点を持たせていただけたことも、得がたい経験でした。オクトパスエナジー社は、デジタル技術や電力小売事業に関わる知見を有しており、お客さま毎に最適なメニューを提供するディスラプター(破壊的企業)として、欧米に事業エリアを拡大している成長企業です。こうした企業と交流する機会が得られたのは、東京ガスが上流から下流までバリューチェーンを有する、総合エネルギー企業だからこそでしょう。こうしたこれまでにない刺激を得て、ビジネスの視野が大きく広がりました。
一方、新たな環境で課題も見つかりました。再エネ事業が拡大するにつれて、個人プレーやスモールチームではなく、社外も含めてより組織的にダイナミックに事業を動かすリーダーシップが必要になってきたのです。再エネ事業には経験者採用で入社した人材を含めてさまざまなバックグランドをもったメンバーがいます。その一人ひとりのモチベーションを維持しながら同じ方向へ向かっていくために、リーダーシップはどう在るべきなのか。まだ答えは見つかりませんが、自分の経験を押し付けるのではなく、時代にあったリーダーシップとは何かを自問自答しながら、常にアップデートをしていきたいと考えています。

Q5

今後の目標、キャリアビジョンを教えてください。

まずは、浮体式洋上風力発電の商業運転実現、海外洋上風力事業の拡大といった成果を、数年の間に積み上げていきたいです。とにかく結果を出すことが全て。東京ガスの浮体式洋上風力発電の風車を海に浮かべるのが最優先事項でしょう。
一方、社会に目を向けると、エネルギー会社は脱炭素化に向けた大きな期待を背負っており、個社利益を超えた産業界一体となった協調的・公益的な動きも必要です。東京ガス創業者の渋沢栄一氏の哲学である「道徳経済合一」の精神をもって、社名に恥じぬように脱炭素社会の実現に力を注ぎたいと考えています。そのためには、時代に合わせてスピード感をもって変化し、順応し続ける必要があります。再生可能エネルギー事業部には経験者採用で入社した方が数多く在籍しており、特に私と浮体式洋上風力発電事業開発に関わるメンバーは、ほとんどがそうした社員です。恐らく、一昔前の東京ガスでは考えられない光景だと思います。今後も、よりスピード感をもって意思決定を行い、健全に変化し続けられる会社であって欲しいと思います。
洋上風力発電の最前線に身を置く今、エネルギーの在り方が次世代へシフトしていく時代の流れをひしひしと感じます。長期的には洋上風力発電に留まらず、次世代エネルギービジネスであれば、分野を問わず好奇心をもって関わっていきたいと思っています。