日々、数億円単位が取引される
電力市場に向け、
緻密な戦略を練り上げる。
海外事業
エネルギートレーディングカンパニー
電力事業部 電力トレーディンググループ
高田 大輔
DAISUKE TAKADA
2014年度入社
工学研究科 合成・生物化学専攻
※各社員の所属名称は、インタビュー時点(2022年3月1日)の所属部署を2023年3月1日時点の名称に変更しております。
入社動機
学生時代、微生物の遺伝子組み換え研究に従事する中で、メタン(天然ガス)を生成する微生物と出合い、エネルギー会社に興味を持つ。入社の決め手は、ずばり「人」。面接で接してくれた社員が輝いて見え、「こういった人たちと一緒であれば、楽しく仕事ができそう」と感じた。入社前はバイオガスに関する研究に取り組みたいと思っていたが、色々な部署と関わるうちに、電力事業で会社を支えていきたいと思うようになった。
CAREER
●1年目/2014年度
都市エネルギー事業部 東部都市エネルギー部
地域の民間企業へのガス機器(GHP、コジェネ等)リプレース・電力販売営業等。
部内の電力営業推進役を担当。
●4年目/2017年度
都市エネルギー事業部 都市エネルギー企画グループ
事業部全体の低圧電力販売推進がメイン業務。
目標設定や予算管理、販売促進策の企画等を担当。
●7年目/2020年度
電力事業部 電力トレーディンググループ
電力事業における日々の需給調整業務を主に担当。
市場価格予測等の分析業務や再エネ電源導入のための基盤整備も担当。
ガスではなく、電力に魅力を感じた
高田さんの具体的な仕事内容をお聞かせください。
電力事業部は東京ガスの電力事業を担う部署で、私は電力のトレーディング業務を行っています。この業務は主に、「確実な計画提出の実行」「電力トレーディングによる収益最大化」「新市場・新制度対応」に分類されます。
「確実な計画提出の実行」については、電力事業を行うにあたり事業者に課される義務です。簡単そうに聞こえますが、当たり前のことを当たり前にこなさなくてはならず、ミスの防止・業務効率化を日々検討しています。
「電力トレーディングによる収益最大化」では、電力はガスとは異なり貯めておくことができないため、需要(使用量・販売量)と供給(発電量・調達量)のバランスを合わせる(=需給調整する)際に生じる過不足分を、電力市場で取引しています。例えば毎日の電力市場価格をより正確に予測するための分析業務や、分析に基づいた取引戦略の立案を行っています。
「新市場・新制度対応」に関しては、電力業界は2016年に小売全面自由化して以降も、制度が刻々と変わっています。制度の変更や市場(需給調整市場、容量市場)の新設に対し、どのような電力取引戦略を立て、どのように収益を上げていくかといったことも検討しています。
仕事では、どういった部分に
やりがいを感じますか?
電力トレーディングでは、日々、数億円単位の取引が行われており、私たちが立案するトレーディング戦略が会社の収益を大きく左右します。そのため、課される責任は非常に重大です。
特に取引戦略立案の基礎となる膨大なデータの分析は、要となる業務です。「どの時間帯で電力市場の価格が高騰・下落するのか?」「再エネの発電量推移は?」「電力需要はどこまで伸びるのか?」「世の中の電力需給がどの程度逼迫するのか?」などを日々予測し、精度向上に努めています。逆に言えばこの分析によって会社の収益をどんどん大きくできるので、簡単ではありませんが、非常にやりがいは大きいです。
こういった分析をより高度なものにしていくために、部署内では勉強会を定期的に行っており、各メンバーが持ち回りで講師役を務めています。正しい分析を行うための統計の知識や、機械学習を用いた予測手法の紹介など内容は多岐にわたります。
また分析データを使いこなすにはプログラミングに関する知識も必要です。私自身、これまでプログラミングの「プ」の字も知らない人間でしたので、こうした業務に携われることは自分を大きく成長させるチャンスだと思って取り組んでいます。
これからどんなことに
挑戦したいですか?
カーボンニュートラルに関わる仕事に挑戦していきたいです。日本では2050年までにカーボンニュートラルを実現することを目標に掲げています。家庭も企業も自治体もこの目標に向けた取り組みを迫られていくことになりますが、それを達成するにはリーダーの存在が必要です。グループの経営ビジョン『Compas2030』の中では、「CO₂ネット・ゼロ」のリードに挑戦すると宣言していますが、これは自社だけではなく、ステークホルダーに対する働きかけという点でも同じだと考えています。
またカーボンニュートラルを実現するには、単に再エネ由来の電力を供給するだけでなく、エネルギーセキュリティとの両立や、産業競争力確保のためのコスト低減など、成し遂げるべき項目は多岐にわたります。これまで、ガス・電力それぞれの事業に従事してきた、私ならではの経験をフルに生かし、社会全体のカーボンニュートラル実現に向けて貢献したいです。
プライベートの過ごし方
休日はスポーツを観たり、プレーしたりすることが多いです。中でも大学から始めたフリスビー競技は会社に入ってからも続けており、河川敷などに出かけて練習をしたり、時には大会に出場したりしています。また美味しいもの巡りをしたり、旅行に行ったりするのも好きですね。
※上記は、新型コロナウイルス感染拡大前の過ごし方について記載しています。